
さて、第5回目となった、『ファシリテーターのおもい』
今回は、港区で活動していた河野亜実さん(通称:つぐさん)と
調布市で活動してた黒木瑛子さん(通称:エーコちゃん)に伺いました。
インタビュー時には、すでにラストサロンを迎えていたつぐさん、
これからラストサロンを迎えるエーコちゃん。
今までファシリテーターとして活動してきて、自身の中であった変化や、
サロンでの印象的なエピソードなどお聞きしました

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― ラストサロンを迎えていかがでしたか?
つぐさん(以下:つ)
最後のサロンでいっぱい失敗しちゃって・・・。
今まで港区のサロンは5名以上の開催が多かったから、少人数サロンもやってみたいと思っていました。たまたま、ラストサロンではキャンセルが相次いで、思いがけず少人数になったんです。
そこで色々あって、焦っていつもの進行ができなかった。
自分のファシリテートとしては良くなかったかな・・・。
― もう1回やりたい!という気持ちが強いですか?
つ:内容は良かったから、もう1回やりたいというのはないです。
もう1度やりたいとしたら、改めて来年度。という気持ち。来年度やるかはわからないけど(笑)
サロンで失敗してしまったのは、自分の詰めも甘かった。反省点はいっぱいあるけど、
気持ちのケリはついた。一番最後に初心に戻ったサロンだったかも。
― エーコちゃんは?今までサロンを開催して感じていることはありますか?
エーコちゃん(以下:エ)
この人カッコよく生きている!この人ステキ!と、自分が勝手にイメージしていた人たちも、
みんな悩みや不安を持っていて、葛藤しながら一生懸命前に進んでいるんだなぁって。
なんとなく頭で感じていたことを、身をもって体感しています。
― 多くの参加者の「はたらく」に触れられるのはファシリテーターの特権ですよね!
エ:本当に。「母となってはたらく」がテーマだけど、「はたらく」よりも「生き方」をみんなで考えるような場だったなって。働きながら子育てをしていると、“自分は何が大切なのか” “自分はどうやって生きたいのか”を考える間もなく毎日が過ぎてしまう。
自分の無意識化にある“自分は何を大切に生きたいのだろう?”を色んな人の価値観に触れる中で、自分の大切なものを意識化にもってくる作業ができることが面白い!
― ファシリテーターの活動を通して、自分の中で変化したことなどありましたか?
エ:私は人に委ねることがすごく苦手で・・・。
“みんな忙しいなら、こんなこと頼んだら悪い?”と深く考えて、自分でやろうとしてしまっていた。
でも、サポーターさん達はサロンに関わりたい気持ちでいるから、私からもちゃんと“関わりたい!”という気持ちに応えるために、いろいろお願いできることは委ねよう!と思えるようになった。
― これからも委ねていけそう?
エ:どうなんだろう?でも、サロンを始める前よりも“人に頼んだら悪い”とか“自分でやっちゃおう”という気持ちはなくなるかな、という気がする。ファシリテートとしては、自分の中ではまだ足りない。
もっともっと、変化させたい!
― サロンへの熱いおもいが伝わってきますー!では、つぐさんは?
つ:サロンで自己紹介できないのが悩みだった。
それをブラッシュアップ(ファシリテーター同士の振り返り)の時に打ち明けたら、
ファシリテーターがどんな人かわからないし、参加者から本音が出づらいから
言った方がいい!とアドバイスを受けて、その通り自分を出していったら、
サロンの内容が変わっていった。あんまり自分のことを話すのが得意じゃないから、
ブラッシュアップの時に思いをさらけ出せたということは、自分の中ではすごいことだった。
― これからも、自分をさらけ出していいんだ!と思って話していると、楽しくなりますよね!
つ:楽になった。自分の中で変わったのは“自分をさらけ出す”ことができるようになったことかな。
― サロンであった、印象的なエピソードを教えていただけますか?
つ:最後のサロンで、仕事の内容を選ぶという話が出た時に、“これやりたいです!”って挙手をして、実際やってみたらできなかった・・・。ということを復職後にやらかしそうで怖い。という参加者の言葉を聞いて、今まで気づいていなかったけれど、なんでも自分で選んで仕事ができる立場だから、やる!と決めて、結果できなかった。ということを去年いっぱいやっていたのを思い出した。
自分で頑張らなきゃ!と思ってしまうけど、無理に手を挙げるのをやめようかなと。
― 一歩引いて、周りを見ようという感じ?
つ:わかっていたつもりだったけど、その一言で“ああ・・・自分もそうだった”って。
自分のやってきたことを思い出せるようなサロンだった。最後だけそういう感じだったなぁ。
それまでのサロンは「どうやって生きていこうか?」という前へ、前へ。のサロンが多かった。
最後のサロンは少人数なのもあったのか、“自分もこうだった”ということを掘り起こせるような
サロンだった。挙手しなくてもいいんだって・・・。
― 貴重な体験でしたね。
つ:そうなの。最後のサロンではファシリテートや進行の部分では40点くらいのサロンなんだけど、自分の充実度はすごく良かった。
― エーコちゃんは、どんなサロンが印象的でしたか?
エ:一番印象的だったのは、自分の夢とお金と、どっちが大切なんだろう。と考える人が
多く集まっている会でした。家族が豊かに暮らすためにはやっぱりお金は大事。
でも、みんなやりたいこととか、自分のために頑張りたいことがあるんだけど、
子どもがいることで制約されてしまって、できないって悩んでいる人がけっこう多い回でした。
そんな時に、“自分1人で頑張らなくてもいいよね”という話になって。
本当にやりたいことだったら、パートナーに相談すれば、うまく調整できるかもしれないし、
数年後に挑戦することができるかもしれない。今すぐに、やりたいことを全て叶えるのは難しい
かもしれないけど、パートナーと一緒にやっていこうよ!と励まし合うな雰囲気が、すごく印象的でした。
― 一体感のある、サロンだったんですね!
エ:そうですね。
「お金のためにはたらく」とキッパリ言い切った方の発言を皮切りに、
「でも自分のやりたいことも大事だよね」という話にどんどん展開していき、
そこにいた誰しもがはっと気付かされるような会話が広がっていったような感覚がありました。
― それでは、エーコちゃんにラストサロンを迎えるにあたっての意気込みを!
エ:「良かった!」と思ってもらえるサロンを開催したい!“私の大事なものってこれなんだ!”というのを、参加者自身が、大事なものに気づくきっかけを、サロンで得てもらえるようなファシリテートがしたいなって。そのために頑張ろう!という意気込みです!!
つ:ラストサロン頑張って!!
― どんなサロンになるのか楽しみですね!今日はありがとうございました!!
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今回、インタビューに答えてくれた、黒木瑛子さん@調布市のラストサロンの開催報告は、
以下のアドレスからご覧になれます☆
https://blog.canpan.info/wms/archive/607
サロンでは、何の迷いもないように見えるファシリテーターですが
実は悩み、葛藤しながら母としての人生を歩んでいる・・・。
インタビュアーとして話を聞いていましたが、私自身も、自分の悩みや
サロンで気づいたことを思い出し、ピン!と背筋が伸びる時間でした。
貴重な時間を、ありがとうございました

(文責:小川 恭子)