二次的な目的として販売するのは良い。 [2025年05月25日(Sun)]
(1467)
私の考えに対して好意的な態度を取っているある批評家が、こんな質問をしました。 「このようにして作られたカディーは、自給のためだけでなく商品として販売することもできるのですか?」 はい。その販売が二次的なものであるならば問題ありません。しかし、その手工業は販売するという目的のためだけであってはいけません。それだけでないとしても、販売することが第一の目的であってはいけません。 ・・・ 政府と村の関係について書かれたガンディーの論説を補足する文章の続きです。 「国民みんながカディーを自らの手で作るべきだ。ただし、それは各自の自発的な意志に基づくものでなければならない」と彼は言っています。(1466) この意見に対して基本的に賛同の立場を示すある批評家から、こんな質問をされたようです。つまり、「自らが使う布を自らの手で作れ」というガンディーの主張に従うならば、「それはあくまでも自給生活のための生産活動であるから、商品として売ってはいけないということなのか?」という趣旨の質問と言えるでしょう。 しかし、ガンディーはそこまで堅苦しいことは言わないのです。ただし、自分で使うために作った布の余剰分を売るのは良いが、商品として販売するのが第一の目的であってはいけないとは言っています。 販売することが目的になってしまうと、「貨幣経済に巻き込まれる」「大資本との競争にさらされる」「利潤拡大の誘惑に駆られる危険がある」「事業に失敗して経済的に転落する恐れがある」「お金に依存した生活になり、主体的に生きられなくなる」というようなことなのではないかと思います。 そして・・・ |