(499)
そうではなくて、私は自らの努力を家族に対する奉仕に集中させた方が良いのです。そして、彼らを通じて国全体に奉仕していると考えるのです。あるいは、もしもその気になるならば、人類全体に奉仕していると考えることも可能でしょう。
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経済のスワデシに関するガンディーの意見の続きです。
「スワデシは(自分の地域の利益だけしか考えないので)利己主義である
(496)」という批判に対して、ガンディーは上のように述べて反論します。
つまり、スワデシというのは決して「自分の属するコミュニティの利害を優先的に考慮し、その外の社会的な問題については無関心であっても構わない」ということではないのです。
そうではなくて、自分の属するコミュニティのために奉仕することを通じて、より広範囲のコミュニティに奉仕するのだということです。
社会というものを本質的に対立的なものだと考えれば、何かを大切にするということは別の何かを犠牲にするということになるかもしれません。しかし、それが本来調和的なものであると考えるならば、身近なコミュニティとより広範囲のコミュニティの利益を同時に追求するということも可能なはずです。
そしてまた、各個人にとって身近なコミュニティの利益のために奉仕することの方がずっと自然であり、妥当性や有効性が高くなると考えられるはずなので、そうすることが社会全体の利益に貢献するための最適な手段でもあるということになるのではないでしょうか?
そして・・・