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インドは世界のために。 [2025年06月16日(Mon)]
(1483)
 インドは、人間性を進歩・前進させるために世界中にある知識と使える資源を活かし、自由と民主主義に基づいた真の世界秩序を確立するために努力するでしょう。

                 (「ハリジャン」1939年9月23日)  


  
 独立後のインドの国家構想についてのガンディーの話の続きです。
 経済的な自給自足や政治的な自主独立を強く主張する彼ですが、決して孤立主義というわけではなく、「自分の国さえ良ければ良い」という狭い考えにとらわれているわけでもないのです。「自由と民主主義の国、インドは、他の自由な国々と喜んでつながり合うことでしょう(1482)」とも彼は述べています。   
 そして、それに続くこの部分では、「自由と民主主義に基づいた真の世界秩序を確立するために努力する」という壮大な理想が語られています。
 これはまさに、「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」「われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる」「日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ」という日本国憲法前文の精神と同じだと思います。
 ただし、この文章が書かれたのは日本国憲法ができるよりずっと前の1939年です。

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