薬局を開いていた村の活動者。 [2025年01月19日(Sun)]
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村の活動者は、村に薬局を開こうとはせず、医者になろうともしないでしょう。こういったことは村の活動者が陥りがちな罠であり、必ず避けなければなりません。 私がハリジャンの旅をしている間、たまたま通りかかった村で、我々の仲間のうちのよく知られたある活動者が立派な建物の中で薬局を開業していました。その薬局は周囲の村々に無料の薬を配っていました。実際、薬はボランティアの手によって各家庭に配布されていたのです。その薬局は、1か月に1200人もの患者数を誇っていると何かに書かれていました。 ・・・ 村の活動についてのガンディーの話の続きです。 村人たちの健康に関して、彼は病気の治療よりも予防を重視しています。だから、清潔と衛生の大切さを力説していた(1339)のです。 そういうわけで、意外に感じる人もいるかもしれませんが、村人たちに無料の薬を配るような医療支援に対しては非常に批判的なのです。 その理由の一つは、西洋医学の薬は輸入品であり、それらに依存することは「スワデシ(自給自足)」の理念に逆行してしまうからだと思われます。(1248) さらに、それだけではなく、彼は薬によって症状を抑える近代医学そのものに対しても非常に強い反対意見を持っていたのです。そのことは、初期の著作である「ヒンド=スワラージ」の中でも既に明確に述べられていました。 ちなみに、「ハリジャン」というのは「神の子」という意味で、長い間インドで差別を受けて来た不可触民のことをガンディーはこう呼んで、彼らの復権を目指していたそうです。しかし、「ハリジャンの旅」というのがどういう旅だったのかは分かりません。 そして・・・ |