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有給職員を雇う余裕はない。 [2025年01月04日(Sat)]
(1325)
 我が国においては、まさにそうするしかないのです。私たちは、この国にある70万もの村のことを考えなければいけません。だから、定期昇給や将来のための資金や年金を求めるような有給職員を雇う余裕はないのです。
 時々、信心深い村人から奉仕を受けることがあります。それで満足が得られるでしょう。そう言うと、村人みんながそうなのかと尋ねたくなる人もいるでしょうが、決してそうではありません。我々は村人たちへの奉仕者であるべきですが、村人は我々の雇い主というわけではないのです。
 ・・・

 

 村の活動者を志す人々に対するガンディーのメッセージの続きです。
 「自分の生活のことで心を煩わせず、安い賃金でも村のために働きなさい」と彼は言っています。(1324)では、「自分に必要なものはきっと神が与えてくださる。だから、神を信頼し、自分のなすべき仕事に専念しなさい」という趣旨のことが述べられていました。つまり、「高い賃金を求めるな」ということの理由は宗教的な観点から示されていたのです。
 ところが、ここでは現実的な理由が示されています。国は貧しく、財源は乏しい。また、活動の場である村の数は多く、活動には非常に多数の担い手が必要だ。そうなると、正規の職員として雇用することは事実上不可能だ。このように彼は述べているのです。
 もちろん、単にお金がないからというのが第一の理由ではありません。それでは、現代で言うところの「やりがい搾取」(実際には誰も搾取はしていませんが)や「官製ワーキングプア」(これも、ちょっと違うと思いますが)になってしまうかもしれません。
 しかし、やはり第一には、「この仕事は金銭を得るための手段ではなく聖職なのだ」という信念を持ってほしいということだと思います。
 そして・・・
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