豆類。 [2024年11月19日(Tue)]
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デンプンの供給源である穀物の次に、タンパク質の供給源であるインゲン豆、レンズ豆、その他の豆類について述べましょう。 豆類は食事の中でどうしても欠かせない食材であり、肉を食べる人も、それとは別に豆類を食べなければならない。ほとんどすべての人がこう考えているようです。 また、肉体的な重労働をしなければならない人々は、もしもミルクを買う経済的な余裕がないならば豆類を食べなければとてもやっていけない。このことは、誰にでも容易に理解できるでしょう。 しかし、私はこう断言します。事務員、ビジネスマン、法律家、医師、教員、その他何であれ、座ってする仕事に就いている人々、そしてミルクを買えないほど貧しくはない人々は、豆類を食べる必要はありません。 ・・・ 食べ物についてのガンディーの話の続きです。 穀物に関する記述(1273)に続いて、ここからは豆類について述べられるようです。 マメ科の植物は、根粒菌と呼ばれる細菌と共生してタンパク質を作ることができるそうです。正確に言うと、根粒菌が空気中の窒素から作ったアンモニアをもらい、代わりに光合成によって作られた炭水化物を根粒菌にあげるのです。 タンパク質はアミノ酸がたくさん集まった巨大分子ですが、アミノ酸にはアミノ基(窒素分子と水素分子で出来た官能基)が必ず付いているので、窒素がないと作れないのです。窒素は空気中にたくさんあるのですが、動物も植物も空気中の窒素を固定化して有機物に変えることができません。それができる特殊な能力を持っているのが根粒菌なのです。素晴らしいですね。 さて、その豆類の代表としてガンディーはインゲン豆とレンズ豆を挙げています。この2つが、インドで代表的な豆類なのでしょうか? インゲン豆は、中南米原産の豆です。隠元というお坊さんが中国から日本に伝えたから、「隠元豆」というそうです。 レンズ豆(lentil)は、西アジア原産で2000年以上前から栽培されているそうです。平べったいレンズ形をしていて、別名は平豆だそうです。しかし、本当はレンズの形をしているからレンズ豆と言うのではなくて、凸レンズの方が後に出来て、このレンズ豆に似ているから「レンズ(lens)」と呼ばれるようになったそうです。 とにかく、豆類は貴重なタンパク源なので、肉や乳製品を食べる人は豆類を食べなくて良いとガンディーは言っています。これは、タンパク質を摂れる食物が豆類しかない貧しい人々のことを考えてのことです。(923) そして・・・ |