• もっと見る
« 2024年10月 | Main | 2024年12月»
豆類。 [2024年11月19日(Tue)]
(1279)
 デンプンの供給源である穀物の次に、タンパク質の供給源であるインゲン豆、レンズ豆、その他の豆類について述べましょう。
 豆類は食事の中でどうしても欠かせない食材であり、肉を食べる人も、それとは別に豆類を食べなければならない。ほとんどすべての人がこう考えているようです。
 また、肉体的な重労働をしなければならない人々は、もしもミルクを買う経済的な余裕がないならば豆類を食べなければとてもやっていけない。このことは、誰にでも容易に理解できるでしょう。
 しかし、私はこう断言します。事務員、ビジネスマン、法律家、医師、教員、その他何であれ、座ってする仕事に就いている人々、そしてミルクを買えないほど貧しくはない人々は、豆類を食べる必要はありません。
 ・・・

                 

 食べ物についてのガンディーの話の続きです。
 穀物に関する記述(1273)に続いて、ここからは豆類について述べられるようです。
 マメ科の植物は、根粒菌と呼ばれる細菌と共生してタンパク質を作ることができるそうです。正確に言うと、根粒菌が空気中の窒素から作ったアンモニアをもらい、代わりに光合成によって作られた炭水化物を根粒菌にあげるのです。
 タンパク質はアミノ酸がたくさん集まった巨大分子ですが、アミノ酸にはアミノ基(窒素分子と水素分子で出来た官能基)が必ず付いているので、窒素がないと作れないのです。窒素は空気中にたくさんあるのですが、動物も植物も空気中の窒素を固定化して有機物に変えることができません。それができる特殊な能力を持っているのが根粒菌なのです。素晴らしいですね。
 さて、その豆類の代表としてガンディーはインゲン豆とレンズ豆を挙げています。この2つが、インドで代表的な豆類なのでしょうか?
 インゲン豆は、中南米原産の豆です。隠元というお坊さんが中国から日本に伝えたから、「隠元豆」というそうです。
 レンズ豆(lentil)は、西アジア原産で2000年以上前から栽培されているそうです。平べったいレンズ形をしていて、別名は平豆だそうです。しかし、本当はレンズの形をしているからレンズ豆と言うのではなくて、凸レンズの方が後に出来て、このレンズ豆に似ているから「レンズ(lens)」と呼ばれるようになったそうです。
 とにかく、豆類は貴重なタンパク源なので、肉や乳製品を食べる人は豆類を食べなくて良いとガンディーは言っています。これは、タンパク質を摂れる食物が豆類しかない貧しい人々のことを考えてのことです。(923)
 そして・・・
第247回楽しく学ぶ歴史ゼミの報告(13)ペスト。 [2024年11月19日(Tue)]
 9月11日の楽しく学ぶ歴史ゼミの報告の続きです。

●14世紀のヨーロッパでも、パンデミックはあった。
●当時は黒死病と呼ばれた。今ではペストと考えられている。
●人口の4分の1あるいは3分の1が失われたと言われる。
●神様にお祈りをしても、死んでしまう。
●善人も悪人も、同じように病気に感染して死んでゆく。
●多くの人々が、教会の教えと権威に疑念を抱いたかもしれない
●死への恐怖が、人間として生きることへの関心を高めた。

 それから ・・・
                  (つづく)
よく噛んで食べましょう。 [2024年11月19日(Tue)]
(1278)
 我々には、チャパティを一口一口野菜か豆のスープに浸してから食べる習慣があります。その結果、ほとんどの人が食べ物をよく噛まないで飲み込んでしまっています。
 咀嚼、つまり噛むことは、消化の過程の中で重要な一段階です。デンプンの消化においては特にそうです。
 デンプンの消化は、口の中の唾液と接触することによって始まります。噛むことによって、食べ物は完全に唾液と混ぜ合わされるのです。だから、デンプン質の食べ物は比較的乾燥した固い状態で食べる方が良いのです。そうすれば、唾液もそれだけたくさん出ることになりますし、完全に咀嚼をしなければならなくなるからです。
 ・・・
                                    


 穀物についてのガンディーの話の続きです。
 チャパティは、全粒粉や玄米粉を水で捏ねて発酵させずに焼いた食べ物です。(1277)
 インドの豆のスープは、「ダール(dal)」と呼ばれるそうです。日本で言うと味噌汁のようなものらしいです。
 チャパティを野菜や豆のスープに浸して食べるのは柔らかくなる上に味も染み込むので合理的だと思われますが、ガンディーはこれを悪い習慣であると言っています。
 それは、そうすることによって食べ物をよく噛まずに飲み込んでしまうからです。
 中学校の理科で習うように、デンプンは唾液の中のアミラーゼという消化酵素によってマルトースに分解され(アミラーゼは、膵液のなかにも含まれているそうです)、さらに小腸でグルコース(ブドウ糖)にまで分解されます。だから、ガンディーが書いていることはまったくその通りだと言えるでしょう。
 要するに、柔らかい物ものばかり食べるのは良くない、また、食べ物はなるべくよく噛んで食べましょう、ということですね。
 それから・・・
       
| 次へ