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糸は、理想的な通貨である。 [2024年08月03日(Sat)]
(1170)
 例えば、貝殻5つで彼らは少しの野菜や縫い針を買うのです。
 私が提案しているのは次のような通貨です。それは、実質的な価値よりも高い価格で流通させるのではなく、常にそれだけの価値を持っているもの、市場で取り引きされる価値と等しい価値のあるものとしてやり取りされます。
 そういう意味で、糸は理想的な交換手段です。
 ・・・



 「インドの中のある地方では、貝殻や種無しの乾燥アーモンドが貨幣として使われている」という話(1169)の続きです。
 貝殻が通貨として使われていたのは、「村人があまりに貧しく、金属製の硬貨を手に入れることができなかったから」なのだそうです。
 しかし、貝殻を通貨として用いることが適切であるとはガンディーも考えていなかったそうです。理想の通貨は、「実際にそれだけの価値を持っているもの」だと彼は言います。誰にとっても同じような価値があるものとは、「誰にとっても同じように必要なもので、各自の好み・価値観や必要性などによって価値が変わらないもの」であって、しかも、「時間の経過と共に価値が低下しないもの」である必要があるでしょう。
 その条件に合致する理想的な通貨は、糸であるとガンディーは断言するのです。
 そして、さらに続けて・・・
貝殻やアーモンドが貨幣として使われている理由は・・・ [2024年08月03日(Sat)]
(1169)
 インドの中の私の出身地方では、貝殻や種無しの乾燥アーモンドが貨幣として使われています。それは、人々からも政府の財務局からも認められたお金です。
 貝殻やアーモンドは、それ自体の中に価値が存在しているわけではありません。それが貨幣になるのは、人々が極貧の状態にあるからです。彼らは、最少額の金属製の硬貨さえも持つことができないのです。
 ・・・
 


 これも、通貨についてのガンディーの論説です。
 彼は、インド西部のグジャラート地方の出身です。
 そこでは、貝殻や乾燥アーモンドが通貨として使われていたそうです。貝殻がかつてお金として使われていたのはよく知られていますね。漢字でも、「貸」「賃」「買」「財」「販」「貯」など、お金に関する多くの文字の部首は「貝」になっています。
 しかし、大昔ではなく、20世紀になっても貝殻がお金として使われていたというのは驚きです。その理由は、金属製の硬貨が存在していなかったのでも知られていなかったのでもなく、民衆があまりに貧しくて最も低い額の硬貨さえも手に入れることができなかったからなのだそうです。
 さて、貝殻などの貨幣はどのように使われていたのかと言いますと・・・
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