人間は、自立すべきものでもあり、相互依存によって生きるべきでもある。 [2022年10月14日(Fri)]
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つまり、言い換えればこういうことです。 人間というのは自分自身の力によって生きるものでもあり、また同時に、お互いの間の依存関係によって生きるものでもあるのです。 ・・・ 「すべての人は自給自足を目指すべきであるけれども、人間というものが社会的な存在である以上、やはり我々は何らかの形で社会サービスを受けないわけにはいかない(516)」という話の続きです。 「人間は自分自身に力によって生きるべき(self-dependence)」あるが、同時に、「お互いの間の依存関係によって生きる(inter-dependence)」でもあるとガンディーは言います。一見、矛盾に満ちているようでもありますが、そもそも人間というもの自体が矛盾に満ちていると考えるならば、矛盾ではないのかもしれません。 確かに、人間には独立した人格があります。だから、どんな人にとっても「自立」というものは重要です。各人が生きている、その主体はその人自身でなければならないからです。 しかしながら、「自立」は決して「孤立」ではありません。そもそも、人格の独立性や主体性といったものも、他者との関係の中でしか意味を持ちえないでしょう。それに、どんな人であっても一人では生きられません。仮に独力で自らの衣食住のニーズをすべて満たすことができたとしても、人間には社会的なニーズもあるからです。 そして・・・ |