自分の家族のことだけを考えて・・・。 [2022年09月27日(Tue)]
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もっとも、私が自分の家族に奉仕することだけを考えて、そのために他の人が苦しんだとしても構わないというような自己中心的な行動する懸念もあるでしょう。例えば、私の就く職業が人々からお金を搾取するような性質のものであった場合です。 ・・・ 経済のスワデシに関するガンディーの意見の続きです。 「スワデシは(自分の地域の利益だけしか考えないので)利己主義である」という批判に対して、「家族への奉仕を通じて、人類社会全体に奉仕するのだ(499)」とガンディーは反論しました。 しかし、「家族への奉仕」が「社会全体への奉仕」につながらないこともあるでしょう。場合によっては、家族の利益が他の人々の犠牲の上に成り立っているということさえあるでしょう。それは、彼も十分に認識しているのです。 例として、「他の人々から搾取することにつながる職業」に就くという場合が示されています。企業の管理職・経営職であれば、一般労働者の低賃金の結果生じる資本家の利益の一部を分配され、高賃金を得ることができるかもしれません。この場合は、労働者の賃金を抑制したり労働を強化したりすることやリストラ等によって雇用を減らすことが経営者としての業績となり、自らの報酬を上昇させることになる可能性が高いでしょう。つまり、労働者の苦しみが自分の利益になるのです。 このような場合は、「家族への奉仕」と「社会への奉仕」が調和するとは言えないのではないか? 確かにそのような疑念が生じるのは避けられないでしょう。 これに対して、ガンディーは・・・ |