スワデシは、現実に適合しない理想論なのか? [2022年09月17日(Sat)]
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インドという国にスワデシを当てはめるのは無理だ。とりわけ、経済生活の面についてはそうだ。こんなふうに主張されることがよくあります。 こういう異論を唱える人たちは、スワデシというものが生活の律法であるということを理解していないのです。 彼らにとって、スワデシというのは単純素朴な愛郷心からなされる努力でしかないのです。そして、その努力というのも、「もしそれが自己否定につながるのであれば、やめておこう」という程度のものなのです。 ・・・ 経済のスワデシに関するガンディーの意見の続きです。 彼は、自国の産業や国民の生活を保護するという観点から自由貿易を批判をします(490) しかし、この意見に関しては当時も多くの異論があったようです。そこで、ガンディーはこれらの異論に対する再反論を展開するのです。 スワデシに向けられる第一の異論は、「それは理想論であって、現実的には無理だ」というものです。つまり、「外国製品ではなく国際製品、しかも可能な限り近隣地域で生産されたものを使おうと言っても、外国製品の方が安くて便利なのだから、それは消費者としての当然の要求を犠牲にしろということではないか。そんなことが、受け入れられるはずがない」というようなことだと思います。 これと同様の反応は、現代の地産地消やローカリゼーション、あるいはエシカル消費などに対してもしばしば投げ掛けられているのではないでしょうか? しかし、ガンディーは・・・ |