手織り機は、今や滅びつつある産業になっている。 [2022年09月10日(Sat)]
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手織り機は、今や滅びつつある産業になっています。 私はインド各地を歩きながら、できる限り多くの織工を見ようと特に注意を払っていました。 そして、いかに彼らがこの仕事を失ってきているか、どれだけ多くの家族が廃業に追い込まれているかを思い知らされて心に痛みを感じました。かつては大いに栄え、誇りを持って営まれていた仕事だというのに。 ・・・ 経済のスワデシに関するガンディーの意見の続きです。 ここで、彼はインドの実情について語ります。綿織物は、かつてインドで非常に繁栄していた産業だったようです。そもそも、綿花はインド原産であり、インドこそが木綿発祥の地だったのです。イギリスとの関係においても当初はインドが綿織物を輸出し、イギリスはインド綿を買っていました。しかし、産業革命の後にその関係が逆転し、大量のイギリスの綿製品が流入したことによってインドの木綿産業は壊滅的な打撃を受けてしまったのです。(474) その結果、インドの農村はたちまち困窮に陥りました。その惨状を目撃したガンディーは大いに心を痛めたのです。 つまり、スワデシというのは単なる理想論ではなくて、インド社会の課題解決のためにどうしても求められる取り組みだったのです。 そして・・・ |