ガンディーの平等論。 [2022年06月17日(Fri)]
(397)
平等な分配という言葉が真に意味しているのは、次のようなことです。 すなわち、どんな人も例外なく、それぞれの人が生きていくために必要な物資をすべて供給できるだけの手段を持ちます。しかし、それ以上のものは持ちません。 例えば、ここに一人の人がいたとしましょう。彼は胃腸が弱くて少しの物しか食べられません。だから、彼が食べるパンの材料となる小麦粉は、4分の1ポンドで十分なのです。その一方で、小麦粉1ポンド分のパンを必要とする人もいるでしょう。 その場合、彼らの必要は共に満たされるべきです。 この理想を現実化させるためには、社会全体の秩序を根本から作り変えなければなりません。 非暴力に基づく社会の中からは、それ以外のいかなる理想も生まれては来ないのです。 ひょっとすると、我々はその目標を達成することができないかもしれません。しかし、それでも我々はその目標を心に抱き続け、少しでもそれに近付けるように不断の努力をしていかなければなりません。 目標に向かって前へ進めば進むほど、きっと我々はそこに満足と幸福を見出すことでしょう。 そして同様に、非暴力の社会の実現にもそれだけ貢献したことになるでしょう。 (「ハリジャン」1940年8月25日) これは、平等に関するガンディーの見解です。 この文章は、既に(282)〜(286)で出て来ました。 彼が言っているのは、もちろん理想論です。しかし、その理想に向かって誠実に努力をしていこうではないかとガンディーはぼくたちに呼び掛けるのです。 |