長期的な視点で、国を豊かにするために必要なことを考える。 [2022年06月06日(Mon)]
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しかし、長い目で見れば、その方が少ない支出で済むだろうと私は確信しています。 現在この国では浮浪者と言われるような人々が急増してどの都市にも溢れかえっています。これがますます等比級数的に増えていくことを望まないのであれば、是非ともそうするべきなのです。 (「ヤングインディア」1925年8月13日) 貧困問題についてのガンディーの論説の続きです。 「単に食べ物の支給を行うだけの施設ではなく、各自に労働の場を提供した上で生活支援も行う施設が必要だ」「しかし、その方がかえって多くの費用を必要とするだろう」と彼は言っていました。(386) しかし、長期的に見れば、労働しない人々を労働する人々に変えて行った方が社会が負担しなければならない費用は少なくて済むだろうと彼は述べているのです。 (256)では、「本当の国策というものはインド国民の力を完全に生かし切るということ以外にない」と断言していましたね。 ちなみに、等比級数とは等比数列の和のことです。幾何級数とも言います。(原文では幾何級数という用語が使われています)等比数列の公比が1より大きければその値は急激に増加していきますから、増加率が次第に大きくなっていく増え方を表現しています。 ヨーロッパの近代教育を否定するガンディーですが、「ヒンド=スワラージ」の中で書かれていたように彼自身はかなり高度な教育を修めているのです。 |