現在の無料食堂よりも費用がかかるだろうが・・・。 [2022年06月05日(Sun)]
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金銭的な見地からすれば、いずれにしても最初の段階では、仕事をしてもらった後に人々を養っていくための費用は現在の無料食堂を運営するための経費よりもむしろ多くなるでしょう。 ・・・ 貧困問題についてのガンディーの論説の続きです。 「単に食べ物の支給を行うだけの施設」ではなく「各自に労働の場を提供し、その上で生活支援も行う施設」が必要だと彼は言っています。しかし、当時のインドでは「かわいそうな人たちに食べ物を与えてあげよう」というような施与施設が多く作られていたようです。(原文では"free kitchens"と書かれています) ガンディーの提案では、貧しい人たちにはまず働く場を提供するべきだということですが、現在では就労支援と呼ばれているような福祉事業に近いかもしれません。しかし、これも実は難しいのです。働くための知識や技術の習得、あるいは精神的な支援が必要な場合も多いですし、働いて多くの現金収入を得ることも非常に難しいからです。 さて、ここで注意したいのは、彼が言っているのは「自分の手足を使って労働をしない人には食べる権利もない(261)」ということであって、「働いてお金を稼げない者には食べる権利はない」と言っているわけでも、「人間は、働いて稼いだ金額に応じて消費する権利を得る」と言っているわけでもないということです。 そして・・・ |