裕福な人たちには、貧困問題を解決する責任がある。 [2022年06月03日(Fri)]
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生活に困窮して食を乞い求める人々が街路に溢れている。これは、現在あらゆる都市が抱えている深刻な問題です。 この問題は、裕福な人たちの責任において解決が図られなければなりません。 ・・・ 貧困問題についてのガンディーの話の続きです。 「すべての救貧施設を閉鎖せよ(381)」という主張をしているくらいなので、貧困問題では貧しい人々に対して非常に厳しい見方をしているのかと思いきや、決してそうではないことが分かります。 貧困問題に関しては、大きく分けて2つの考え方があります。1つは、「貧困は個人的な問題である。だから、貧困状態から脱するために必要とされるのは本人のさらなる自助努力であって、社会的な援護は不要であるどころか有害でさえある」というものです。そしてもう1つは、「貧困の原因は本人ではなく社会にある。だから、貧困問題の解決は当事者に押し付けられるべきではなく、社会全体の課題と考えられるべきである。つまり、経済的困窮者の救済は社会福祉事業として、国家の責任においてなされなければならない」というものです。 しかし、ガンディーの考えはどちらとも違っているようです。貧困問題は自助努力ではなく社会的な支援によって解決されなければならないと彼は言いますが、その支援の方法は無条件の給付ではなく、本人が自らの労働によって自らの必要を満たせるように支援せよと主張するのです。 また、国家の責任と国民の権利というよりも、貧困者に対する富者の義務として論じられているのも特徴的だと思います。 そして・・・ |