金銀に勝る真の宝とは・・・ [2022年05月29日(Sun)]
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銀貨や金貨を何枚か手に入れたとしても、それは決して真に価値ある宝物ではありません。 自らの意志でパンの労働を実践することによって得られる健康、これこそが本当の宝なのです。 (「ハリジャン」1935年6月29日) 「パンの労働をせよという掟に強制的に従わされるのであれば貧困や病気や不満をもたらすだけだが、自発的な意志によってその掟に従えば必ず満足と健康を得ることができる(378)」と述べた後、ガンディーはこのように続けます。 「パンの労働」とは、自分の食べ物(その他、生活に必要なもの)を生産するための労働を自らの体を用いて行うということです。もちろん、それでは生活をより豊かにしてくれる贅沢品やサービスを手に入れるためのお金を稼ぐことができません。しかし、「それでも構わない」あるいは「その方がかえって良いのだ」とガンディーは言うのです。 なぜなら、幸福というのはより大きな欲望を満足させることではなくて、最低限のもので満足できるようになることだと彼は考えているからです。(360) そして、何よりも大切な宝である健康は、お金で買えるものではなく、適度な肉体労働と質素な暮らしによって得られるのだと断言するのです。 |