農村から都市へ。 [2022年05月26日(Thu)]
(376)
恐らく、彼らはもし可能であれば肉体労働から逃げ出したいと考えていることでしょう。そして、もし自分の生活に必要なものがそこで手に入るのであれば、彼らはみんな、きっと最寄りの都市に向かって躊躇なく殺到していくことでしょう。 ・・・ 「村に住む人々が貧しい境遇に置かれているというのは事実だが、彼らが村で暮らしているのは自発的な意志によってそうしているわけではない(375)」という話の続きです。 村に住んでいる人々も、決して自分の意志でそうしているわけでなく、成り行き上やむを得ず村の暮らしをしているのであって、もしも都会で暮らすチャンスが与えられれば彼らは喜んで都会に引っ越すだろう。このようにガンディーは言います。 これは20世紀初頭のインドの農村に住む人々についての言及ですが、21世紀のどこの国についてもほとんどそのまま当てはまるのではないでしょうか。つまり、田舎の暮らしよりは都会の暮らしの方が望ましい。言い換えれば、自らの手足を使って生産的な労働に携わるよりも、とにかくお金を稼げる職業に就いて、そのお金で多くのものを購入し消費するような生活の方が、遥かに豊かで洗練されていて魅力的だと多くの人々が考えているということです。 しかし、都会の暮らしは本当に人々に幸せを与えてくれるのでしょうか? それは大いに疑問ですが・・・ |