村での暮らしの現実を見れば・・・。 [2022年05月24日(Tue)]
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しかし、何にでも反論したがる人たちはきっとこう言うでしょう。 「現在既に、何百万というインド人が村に住んでいるではありませんか。果たして、彼らはどんな暮らしをしているでしょうか。ほとんど飢餓状態と言えるような、実に悲惨な暮らしぶりではありませんか」 ・・・ 「パンの労働」についてのガンディーの話の続きです。 このパンの労働の掟にみんなが従うようになれば、人間社会に静かな革命が起こるだろうと彼は言っています。(371)しかし、それに対する反論があるだろうということも彼は予想しています。あるいは、現にそのような反論を少なからず受けていたのかもしれませんね。 さて、ガンディーの主張に対する批判者は次のように言います。 「村へ還れ。そして、村に住んで、自らの食べ物を生産するパンの労働に従事せよ。そうすれば、すべての人が平等になり、健康になり、幸福になるだろう。そのようにあなたは言いますが、しかし、それはあまりにも楽観的過ぎるのではないでしょうか。なぜなら、現に村に住んでいる人々は決して良い暮らしをしているとは言えないからです。みんなが村で暮らすようになれば理想的な社会が実現するのであれば、今、村に住んでいる人々はその良い暮らしを先に享受できているはずなのではないですか?」 このような反論に対して、ガンディーは・・・ |