すべての人が、働いて、暮らしていける。 [2022年01月13日(Thu)]
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インドの経済は果たしてどうあるべきでしょうか? それは、世界の経済がどうあるべきかという問題と同じことです。私はこう思います。 食べる者や着る物がなくて困っているような人が誰もいない。言い換えれば、すべての人が自らの仕事によって衣食の必要を満たすことができる。そんな経済です。 ・・・ これも、「村の自治の基本原則」についてですが、村というよりもインド全体、さらには世界全体の経済について述べています。日本語の「経済」という言葉は「経世済民」、つまり人々の暮らしを守ることを意味しています。だから、そういう観点から見れば上のようなガンディーの見解は実に当然と言ってよいでしょう。 ただし、豊かであればあるほど良いということではありません。最低限の生活が保障されるべきだということです。贅沢は、人間の幸福につながらないからです。(26) また、公的な給付制度などによって最低限の生活が保障されればよいのではなく、「すべての人は自らの労働によって生計を維持すべきである」という原則がはっきりと打ち出されているのもガンディーの思想の特色です。労働とは、人間の権利でもあり、義務でもある。そして、人間の幸福にとって欠くことのできない必須の要素だと彼は考えるのです。(127) さらに、彼は続けて・・・ |