イギリス人官僚によって記録されたインド農村の惨状。 [2021年10月29日(Fri)]
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何人ものイギリス人官僚が、インドの人々の生活実態についての記録を残しています。 その中で、「インドの村に住む人々は心身を保つのに必要なものを十分に得ている」と言っている人は私が知る限り一人もいません。 ・・・ 「一般に、町の住人は村人たちを食い物にしています(171)というガンディーの発言の続きです。 ここで彼は、インドの村人たちが困窮生活に苦しんでいるという事実をイギリス人の書いた記録によって実証しようとしているようです。 さて、どうしてここでイギリス人官僚が出て来るのかと言いますと、当時、インド(インド帝国)はイギリスの実質的な植民地だったからです。インド帝国の皇帝はイギリス王が兼ねていて、イギリスから派遣されたインド総督が帝国全土(現在のインド・パキスタン・バングラデシュ・ミャンマー)を様々な形で統治したそうです。直轄地と間接統治の藩王国があったようです。 さて、インド総督はイギリス本国のインド担当大臣に責任を負っていたそうなので、インド社会の実態や実情を示すいろいろな統計資料を作成する必要もあったと思われます。それに当たったのが、恐らくはイギリス人官僚たちだったのではないかと思われます。 そのような官僚たちが残した記録ですから、大体においては信頼できる情報だと考えられますが、その記録のどれもが、インドの村の住人たちが基本的な生活要求さえも十分に満たされない状況に置かれていることを示していたとガンディーは言うのです。 さらに・・・ |