産業化と大規模生産は、二度の世界大戦を引き起こした。 [2021年10月03日(Sun)]
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結局、この産業化と大規模生産は比較的最近になってから発達してきたものに過ぎません。 それが我々の幸福の増進にどれほど寄与しているのかは分かりません。しかし、このことははっきり分かります。それは、この数十年の間に相次いで起こった世界大戦が産業化と大規模生産によってもたらされたものだということです。 ・・・ 「村の文明と都市の文明はまったく別のものだ(147)」という話の続きです。 「村の文明」について語る前に、「都市の文明」についてガンディーは論評します。 さて、この文章が書かれたのは1944年です。(「Hindustan Standard」という雑誌に掲載されたようです)つまり、第2次世界大戦の末期です。 産業革命がイギリスで始まったのは18世紀後半だと言われています。それが世界の先進地域に広がったのは、19世紀から20世紀初めにかけてだと言えるでしょう。確かに、世界の歴史の中ではごく最近のことです。 しかし、産業革命から始まった資本主義経済の発展・市場の拡大・産業化、そして際限のない富への欲望は、結局のところは悲惨な世界大戦を二度にもわたって引き起こしただけではないか。1944年の時点では、そのように思えたのも理解できます。 第一次世界大戦は1914年〜1918年、第二次世界大戦は1939年〜1945年でした。列強諸国間の協調と軍縮、そして国際秩序の維持を目指したベルサイユ体制は、約20年で崩壊してしまったのです。 さらに、続けてガンディーは・・・ |