隣人愛がなければ、どんな社会変革も・・・。 [2021年07月24日(Sat)]
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憎むべきは、牛の引く荷車を使うことではありません。我々自身の利己主義、隣人への思いやりの無さなのです。 必要なのは隣人愛です。それがなければ、どんな社会変革も、たとえ革命が起こったとしても、この社会に善をもたらすことは決してできないでしょう。 (「ヤングインディア」1926年7月10日) 「産業主義によって貧困問題を解消することはできない(77)」という話の続きです。この時代は、資本主義の発展に伴って貧富の格差の増大や失業問題などが深刻化していたと思われます。1917年のロシア革命の影響もあって、この貧困問題を解決するためには社会主義革命しかないという意見も多くなっていたことでしょう。 しかし、「政治革命によって世の中の不平等がなくなり理想の社会が実現できる」という考えをガンディーは完全に否定しています。彼によれば、この社会を良くしていくために必要なのは隣人愛なのです。政治体制の変革を否定しているわけではありませんが、人々の心の中に隣人愛を蘇らせない限り、政治変革だけでは決して期待したような成果をもたらさないだろうと彼は言うのです。 |