熾烈な国際競争の果ては・・・。 [2021年07月10日(Sat)]
(64)
産業主義の未来は真っ暗です。 イギリスの競争相手は世界中にいます。アメリカ、日本、フランス、ドイツ。彼らは大いに成功を遂げつつあります。 また、インドにある少数の工場とも競争していかなければなりません。 ・・・ 産業主義(インダストリアリズム industrialism)についてのガンディーの考察の続きです。 産業の発展は、必ずしも人々の幸福につながるものではありません。ある企業の成功は、必然的に他の企業による追随や挑戦を受けることになり、決して一時的な成功に安住することはできません。仮にそのような激烈な競争に勝利したとしても、きっと息つく間もなく新たな競争者が脅威として現れて来るに違いありません。 そのうちに、技術革新も新商品の開発も、人々の必要を満たすためというよりは企業間の競争に勝利するため、あるいは市場における覇権を維持したり奪ったりするためのものになってしまうでしょう。 結局、国際競争の行く末は暗い未来をもたらすだけだろうとガンディーは予言するのです。 さて、この時代はイギリスが世界の超大国(アメリカという新興勢力が台頭してきたので、老大国と言うべきでしょうが)でした。しかし、そのイギリスの覇権を脅かす競争相手が次々に登場し、やがて大英帝国も没落の日を迎えるだろうと彼は暗示しています。しかし、その次の覇権国家も、当然いずれは同様の運命を辿ることになるのです。 ここで、ガンディーはイギリスに脅威を与える競争相手の候補を「アメリカ、日本、フランス、ドイツ」という順番で挙げています。1930年代なので中国が含まれていないのは当然としても、ソ連が入っていないのは興味深いですね。 そして・・・ |