あなたがたも、根本の所ではきっと宗教的な国民のはずです。 [2021年02月16日(Tue)]
(1093)
あなたがたイギリス人も、きっと根本の所では宗教的な国民の仲間であるはずです。私はそう信じています。 そして、私たちの暮らしているこの国は、まさに多くの宗教を生み出して来た所なのです。 当時インドを支配していたイギリス人に対するガンディーのメッセージの続きです。 彼の訴えは、当時のイギリスが採っていた帝国主義的政策を全面的に否定するものでした。それはまた、その基盤となっていた資本主義経済や社会的な問題を力によって解決しようとする態度など、つまりは近代文明そのものを厳しく批判するものでした。 ですから、イギリス人が彼の主張を素直に受け入れてくれる見込みは非常に乏しかったのです。もちろん、そのことはガンディー自身も認識していました。それでも、「我々が強い意志と勇気を持って訴え続ければ、きっとあなたがたも遠からず分かってくれるでしょう (1092)」と語って彼はイギリス人の理性に希望を託したのでした。 さらに、ここでは「イギリス人も根本の所では宗教的な民族であるはずだ」という点に彼は希望を見出そうとしているようです。イギリス人の伝統的な宗教は無論のことキリスト教です。しかし、そのイギリス人が文明化に伴って自分たちの宗教を棄て去ろうとしているとガンディーは批判します。(217)けれども、根本の所ではやはり彼らも宗教的な国民なのであり、いつかは真実に立ち返ることもあるだろうと彼は信じいるのです。 そして・・・ |