機械文明を批判する書物を印刷するのに機械を使ったとしても・・・。 [2020年12月16日(Wed)]
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機械に関して言えば、そのことが機械の利点であるということには決してならないでしょう。 確かに、機械文明を批判する書物を印刷するのに機械を使うことはできます。しかし、その仕事を終えた後に機械は我々にこう言うのではないでしょうか。 「機械を批判する趣旨の本を機械で印刷するのは矛盾なのではないか?」という若い読者の質問に対して、「それは、毒を以て毒を制すの一例だ」とガンディーは答えました。(1032) そして、「もし、機械文明を批判する書物を機械を使って印刷したら」という仮定をし、さらに、「そしてもし、その機械が人間の言葉を話すことができたら・・・」という別の次元の仮定を重ねます。機械が話をするわけはないのですが、つまり、これは擬人法です。 このように、ガンディーは謹厳実直なだけの人では決してなく、自由奔放な発想を楽しむ所もあったのです。 さて、機械は果たして何と言うのでしょう。 ・・・ |