(728)
どうか、この問題についての考察を辛抱強く重ねてみてください。そうすれば、私の話が決して誇張ではないということがあなたにも分かってもらえるでしょう。
さて、今お話ししたことは、泥棒に何かを盗まれた場合にあなたが取りうる手段の一つです。今度は、別の対処法について検討してみることにしましょう。
「もしも、ある泥棒があなたの財産を盗み、あなたが怒って彼に制裁を加えようとしたら・・・」という仮定から、最後には戦争が始まってしまうという結論をガンディーは導きました
(725)。
ただし、これはあくまでも仮定の話です。その後の展開も、ガンディーの想像です。だから、もしかすると、「それはあまりにも極端な、架空の話に過ぎないのではないか」という受け止め方をされるかもしれません。そこでガンディーは、「どうか辛抱強く考察を重ねてください。そうすれば、私の言うことが決して誇張ではないということが分かるでしょう」と念を押しているのです。
さて、この話はそもそも何から始まったのかと言いますと、「目的と手段」についての議論から派生したのでした。そこで今度は、「泥棒に対して怒りの気持ちを抱き、彼に復讐しようとする」のとは別の手段について検討しようとガンディーは言うのです。
その、「もう一つの手段」とは、果たして・・・