スキュラとカリュブディスの間。 [2020年02月03日(Mon)]
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まさに、前門の虎、後門の狼といった状況です。 あなたは盗賊の被害に遭ったかわいそうな人々に深く同情せざるを得ませんでした。そして、思いました。 「確かに彼らの言う通りだ。果たして、私はどうすべきなのだろうか? もしもこのまま盗賊を野放しにしておけば、彼らに対する私の面目はきっと失われてしまうだろう」。 「あなた(過激な民族主義者の若者のことです)は隣人たちの利益を守るために盗賊との戦いを宣言したが、そのためにかえって盗賊の襲撃を受けた隣人たちから抗議されてしまった(722)」という話の続きです。これはあくまでも仮定の物語なのですが、ガンディーは想像の翼を広げてどんどん話を発展させていきます。 「前門の虎、後門の狼」とは、一難去ってまた一難というような意味です。もちろん、インド人のガンディーがこのような言い回しをしているわけではありません。英語版では、「スキュラとカリュブディスの間」と記されています。スキュラとカリュブディスとは、イタリア本土とシチリア島の間にあるメッシーナ海峡に住むと言われる怪物です。ギリシア神話では、この2つの怪物がオデュッセウスの行く手を阻んだことになっているそうです。というわけで、ガンディーはヨーロッパの古典にもかなり造詣が深かったようですね。 さて、この後の展開は果たして・・・ |