ローマもギリシャも既に滅びたが・・・。 [2019年08月05日(Mon)]
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ローマは既に滅びました。ギリシャも、同じような運命を辿りました。 ファラオの権力も崩れ去りました。 「インドが築いてきた文明を打ち破ることはこの世の誰にもできません(547)」と述べた後、ガンディーは既に滅びた古代文明について語ります。 確かに、古代ローマ帝国は4世紀末に東西に分裂し、西ローマは5世紀に滅び、東ローマ(ビザンツ帝国)は15世紀まで続きましたが、結局は滅亡しました。しかし、ここで問題になっているのは「帝国」の存続ではなくて「文明」の存続です。ローマ帝国が滅びた後、その文明が後の時代のヨーロッパに受け継がれたのかと言うと、決してそうではないでしょう。特に、キリスト教を国教とする以前の古代ローマの文明はかなり大きく変質し、ほとんど歴史的のものとしてのみ地上に残ったと言えるのではないでしょうか? 古代ギリシャの文明も同様です。ヘレニズム時代以降、ギリシャ文明の影響下にあった地域は、ヨーロッパのキリスト教社会、北アフリカ・西アジア・中央アジアのイスラム教社会などに移行し、ギリシャの文化的遺産は主としてイスラム圏でアラビア語に翻訳されて後世に伝えられたのです。 ファラオというのは、古代エジプトの王のことです。ファラオは神とみなされ、ピラミッドに象徴される絶大な権力を持っていたのですが、歴史の流れの中でエジプトの地はアレクサンダー、ローマ帝国、そしてイスラム帝国に占領され、古代のエジプト文明とはまったく異質の文明世界に属する場所になったのです。 まさに「諸行無常」「栄枯盛衰」ですが、国家の隆盛や政治的支配者たちの権勢などはまったく虚しくはかないものだとしても、真の文明と呼ぶべきものは時代の流れを超えて普遍的に存続するものだとガンディーは考えているようです。 そして・・・ |