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自分たちのことは自分たちでやっていく。 [2021年05月12日(Wed)]
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 どんな国であれ、そこで食べたり飲んだり息をしたりするのがふさわしくないということはありません。
 それと同じように、いかなる国民であっても、自分たちのことは自分たちでやっていくのが当然です。それにふさわしくない国民などいないのです。たとえどんなに悪い結果になったとしても、国民による自治は必ずなされなければなりません。
             
     (「ヤングインディア」1931年10月15日)
 


 「スワラージは聖なる言葉であり、ヴェーダ的な言葉だ(5)」と言って、スワラージ(自治)が政治的な要求や課題ではなく宗教的・精神的な問題であることを強調していたガンディーですが、決して政治的な意味での自治を軽視していたわけではありません。ここでは、民族自決と国民国家の実現を明確に主張しています。
 この時代、「インド人には近代国家を統治していく経験も能力も欠けている。だから、イギリスによる統治を受けていた方がインド人の利益になるのだ」というような主張(イギリスによる植民地支配を正当化する言説)も少なからずあったと思いますが、これを彼ははっきりと否定しているわけです。
 日本でも、「近代の歴史において日本はアジアの一部地域を植民地にしたが、その統治によって当該地域の発展に役立つことも行われた。だから、日本の植民地支配は決して非難されるようなものではなく、むしろ感謝されても用意はずだ」というような意見を述べる人がいます。しかし、支配される側からの見解は上のガンディーの言葉のようにまったくそうではないのです。
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