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機械製の品物を使うのは、やめよう。 [2020年11月21日(Sat)]
(1008)
 もちろん、工場主たちがそうしてくれるかどうかは分かりません。
 しかし、仮に彼らがそうしなかったとしても、人々が機械製の品物を使うことをやめるのは可能です。
 


 「工場主たちに、徐々に事業を縮小していくように頼もう。大量生産でなければ、機械を使わない手工業でもよいはずだ。また、労働者を大きな工場に集めて働かせるのではなく、家内工業に戻すべきだ。工場主は、人々に機械を貸し出して、できた製品を回収して販売すればよい」というガンディーの主張(1007)の続きです。
 このような求めに工場主が応じてくれる可能性について、彼は、「もしも彼らが善に従おうとするなら」と述べています。つまり、彼らの善意や良心に期待を寄せているのです。しかし、当然のことながら、そのような期待通りに彼らが行動しない可能性も大いにあります。「善に従う」よりも「最大限の利益を求める」ことを優先するならば、工場主たちは恐らくガンディーの期待に反した選択をするでしょう。
 しかし、それでも希望はあるとガンディーは言います。工場主が機械制大工業をやめようとしなくても、消費者が機械製の商品を買わなければよいのです。つまり、「買う・買わない」選択を消費者が自覚的に行うことによって社会を大きく変えていけるという方法を彼は示唆しているのです。言い換えれば、もしも消費者が主体性のある意志と行動力を発揮することができれば、彼らはきっと大企業以上に社会のあり方を決定する大きな力を持ちうるということでしょう。
 そして・・・
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