自分自身が溺れてしまったら、別の溺れている人を助けることなどできるはずがない。 [2019年10月14日(Mon)]
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しかし、このような自治は、必ずひとりひとりが自らの経験によって成し遂げなければなりません。 自分自身が溺れてしまったら、別の溺れている人を助けることなどできるはずがないではありませんか。だから、自らが隷属状態にとらわれていながら、他の人々を自由にしようなどというつもりになってはいけません。 「自治とは、自分自身を統治すること(608)」という話の続きです。 ガンディーの考えでは、自治というのは武力で勝ち取るものではありません。政治的な要求でもありません。何よりもまず、ひとりひとりの精神性の問題、そして生き方の問題なのです。 だから、最終的な目標は「インドに住むすべての人々が自由を得られること」なのですが、そのためにはまず、「自分自身が自由になること」を実現しなければならないのです。言うまでもありませんが、この場合の自由とは、他からの拘束を受けないことではなく、自分自身の欲望に支配されない精神的な強さを得ることです。(564) ガンディーの考えでは、それはまさしく道徳的に生きることと同義なのです。 さて、このように述べた後・・・ |