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肉食を行う者はアヒンサーの信奉者とは認められない。 [2019年04月18日(Thu)]
(441)
 私たちがこのアヒンサーの宗教に従っているのは、いかなる生き物であってもその命を奪うという罪に問われることを避けたいからだと言われています。
 しかし、一般的に言って次のような事実を私たちは認めざるを得ないでしょう。多くのヒンドゥー教徒が肉食を行っています。だから、彼らはアヒンサーの信奉者とは言えません。



 「アヒンサー(不殺生・不傷害・非暴力)」はインド発祥の宗教の特徴的な教義です。それは人間社会の倫理というよりも、生命尊重というもっと普遍的な哲学から生まれた考えのようです。
 「輪廻転生」という言葉で知られているように、インドでは昔から「すべての生き物はいずれ死を迎えるが、その霊魂は肉体と共に滅びない。やがて、別の生き物の形を取ってこの世に還って来る」と考えられているようなのです。そうだとすると、すべての命は互いにつながり合っていて、しかも等価であることになります。だから、「どんな生き物であっても命は尊い。いかなる命も傷付けたり奪ったりしてはいけない」ということになるのでしょう。
 しかし、(440)で述べられていたように完全にアヒンサーを実践することは厳密に言えば不可能です。だから、その戒律が人々の生活を一体どの程度規制するのかについてはいろいろ解釈が分かれることになります。それで、同じヒンドゥー教徒の間でも「人間を殺してはいけない」「動物の中でも牝牛は特に保護しなくてはならない」「すべての哺乳類は殺して食べてはいけないが、鳥や魚は許される」「すべての動物を殺して食べてはいけない。食べ物は植物だけによるべきだ」「植物も命なのだから不殺生の対象に含まれる」「生きるために必要最小限の殺生は許容される」というように様々な考えや立場の違いが必然的に生じてくるでしょう。そういうわけで、肉食をするヒンドゥー教徒も実際にいたのです。
 さて、このことからガンディーは・・・
 
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