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塩税は決して小さな不公正ではありません。 [2018年04月01日(Sun)]
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 これは、インドでなされた他の不正がベンガル分割に比べればまだましなものだったからというわけではないのです。
 例えば、塩税などは決して小さな不公正ではありません。私たちはこれからも、このような多くの不公正によって苦しめられることでしょう。



 ベンガル分割は、イギリスによるインドの統治策の中で最大の反発を受けました。しかし、それは決してベンガル分割ほどひどい不公正がそれまで行われていなかったからというわけではないそうです。
 その中でも特に、「塩税」をガンディーは挙げています。有名な「塩の行進」は1930年に行われたのですが、それより遥かに前からイギリスはインドに塩税を課していたのですね。
 言うまでもなく、塩がなければ人間は生きていけません。その塩に高い税金を掛けるということは、徴税する方からすれば安定的で確実な良い方法かもしれませんが、税金を取られる方からすれば、まったく逃れようのない、しかも恒常的に収奪され続ける最悪の税金です。
 さらに、「塩税は著しい不公正である」とガンディーが言う理由は、その逆進性です。塩の必要量は、裕福な人でも貧乏人でも変わりません。むしろ、肉体労働に汗を流す貧乏人の方が多くの塩を必要とするでしょう。その塩に税金が掛けられれば、貧富の差はますます増大し貧困に陥った者は二度とその境遇から逃れられないことになってしまいます。
 しかも、これはインド人の意見など少しも考慮せずに支配者であるイギリスが一方的に定め、すべてのインド人に義務として押し付けたものなのです。
 このように、ガンディーはインドに対するイギリスの不公正を非常に厳しい目で見つめていたのです。やはり、彼はダーダーバーイーゴーカレーとは明らかに違った意識を持っていたのです。
 そのようなことを指摘した上で、さらに彼はベンガル分割について・・・
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