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本当の目覚めは・・・ [2018年03月29日(Thu)]
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 あなたのおっしゃる本当の目覚めは、ベンガル分割の後に起こりました。
 このことに関して言えば、私たちはカーゾン卿に感謝しなければなりません。
 


 「国民会議はインドの人々に民族的な自覚を持たせる最初の契機を作った。しかし、それはまだ本当の覚醒とは言えない。インド国民の本当の目覚めは、いつ、そしてどのようにして起こるのか?」という若者の質問に対するガンディーの答えです。ここで、章のタイトルである「ベンガル分割」が出て来ました。
 「ベンガル分割」とは、イギリスによるインド民族運動の分断策です。1905年に「ベンガル分割令」という法令が発せられたのですが、この時のインド総督がカーゾン卿なのです。カーゾン卿(ジョージ⁼カーゾン 1859-1925)はイギリスの貴族で、インド総督の後は外務大臣なども務めた人です。
 「私たちはカーゾン卿に感謝しなければならない」。これはもちろん、ガンディーの皮肉でしょう。インド人たちは、ヒンドゥー教徒とイスラーム教徒の対立を利用して反英闘争の弱体化を図ったイギリスの狡猾な分断統治策に激しく反発し、かえって民族的な自覚と連帯意識を強化したのでした。これによって、非常に体制的だった国民会議も一時は急進派(ティラクなど)が台頭して強く自治を要求するようになったそうです。(ただし、イギリスの弾圧や分断策によって再び国民会議は穏健派が主導権を持つようになりましたが)
 しかし、一度目覚めた人々の意識はもう後戻りはしないのです。だから、ガンディーはこれを「本当の目覚め」と言ったのです。
 さらに、ベンガル分割の歴史的意義について彼は詳しく・・・
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