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みんなが金貨は余るほど持っていました [2017年10月11日(Wed)]
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 こうしてパンは買えませんでした。
 みんなが金貨は余るほど持っていました。老悪魔がどこへ行ってみても、だれも何ひとつくれず、・・・



 イワン王の人たちは、誰も金貨を欲しがりません。みんなが余るほど金貨を持っていたのです。とは言っても、みんなが大金持ちだったのではありません。
 (仮にみんなが大金持ちだったとしても、単にインフレーションが起こるだけでしょう。たくさんのお金を持っていても、相対的にもっとお金持ちの人がいれば、その人は自分は貧しいと感じるでしょう。そして、もっとお金が欲しいと思うでしょう。また、お金持ちの中でも特にたくさんのお金を持っている人でも、やっぱりさらに多くのお金が欲しいと思うでしょう。人間の欲望は限りなく肥大化するし、そういう人はお金で買えないものまでお金で買おうとするので、いつまで経っても心が満たされることはないのです。そういう不満や不安を抱えているので、お金持ちでも飽くことなくお金を求め続けるのです)
 イワンの国の人たちにとって、お金は単なる「ぴかぴか光るおもちゃ」でした。(それは、イワン王と同じです)だから、3枚も持っていれば十分だったのです。
 「でも、お金自体には効用はなかったとしても、それは市場における様々な商品やサービスとの交換手段として使えるじゃないか。だから、誰でもお金は欲しがるのではないか」と思う人もいるでしょう。しかし、この物語を読めば分かるように、それは単なる社会的合意(もしくは、そのような合意があるという思い込み)に基づいているだけなのです。だから、そのような観念にとらわれていないイワンの国の人たちにとっては、金貨には何の特別な値打ちも認められないのです。
 しかし、・・・
  
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