なあイワン、今度また商売がうまくいくまで・・・ [2017年04月11日(Tue)]
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タラスはイワンを見ると言いました。 「なあイワン、今度また商売がうまくいくまで、俺と家内を養ってくれよなあ」 商人になっていたタラスは、物欲の虜になってしまい、とうとう借金が返せなくなって実家に逃げ帰ります。そして、イワンにこう頼むのです。 でも、あんまり反省している様子はありませんね。イワンに対しても、「申し訳ないが・・・」でもなく、「迷惑かけるけれど・・・」でもなく、いきなり「養ってくれ」なのです。ここは、兄のセミヨンと同じです。 聖書の中の放蕩息子は「どうぞ、雇い人の一人同様にしてください」と言ったのですが、セミヨンもタラスも働く気などまったくないようです。まるで当然のことのように、「俺たちを養ってくれ」とイワンに要求するのです。 しかし、労働しない居候が家に増えれば、イワンの負担はさらに大きくなってしまうではありませんか。タラスは破産して夜逃げして来たので、もちろん生活費を納入したりはしないでしょう。 さあ、ここでイワンは・・・ |