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第18章「むすび」のまとめ(14)「森の生活」ラストの名言。 [2016年12月28日(Wed)]
 いよいよ、最後の締めくくりです。
 最後に、ソローは当時ニューイングランドでよく知られていたというエピソードを語ります。
切り倒されてテーブルになった木の中で、そこに産み付けられた虫の卵が60年以上も生命を保ち続けたという話です。そこから彼は、「誰でも復活と不死に対する信仰が強まるのを感じるだろう」と言うのです。
 そしてここまで綴って来た文章の締めくくりに、ソローはこんなことを言うのです。
 「こうやって書いていることのすべてを多くのアメリカ人やイギリス人が理解してくれるだろうとは思わない」。つまり、ソローは自分の主張が同時代の人々には理解されないことを十分に承知していたのです。
 しかし、たとえ多くの人に分かってもらえなかったとしても、彼には真理に対する強い確信がありました。それを彼は、「単に時間が経過するだけでは決して訪れない夜明けというのは、そういうものなのだ」「ぼくたちが(真に霊的な意味で)目を覚ました時にこそ、その夜明けはやって来るのだ」と表現しています。それに比べれば、ぼくたちが実際に毎朝目にしている太陽も、「(本当の霊的な夜明けにもたらされる光に比べれば)夜明け前の暗い空に輝く小さな星に過ぎない」と言い切るのです。
         
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