氷の高さの極小と言ってよいほどのわずかな変動は、池の向こうの木では数フィートの差異となって現れた。 [2016年04月10日(Sun)]
(1263)
水準器の三脚のうち2本を湖岸に立て、もう1本の脚を氷の上に乗せる。照準は、氷上の脚の方に合わせる。すると、氷の高さの極小と言ってよいほどのわずかな変動は、池の向こうの木では数フィートの差異となって現れた。 ぼくが池の水深を測るために氷を切り始めた時、氷の上には深い雪が積もっていた。その間には、雪のために沈められてできた3、4インチの水の層があった。しかし、ぼくが氷に穴をあけると水はすぐにそこへ流れ込み出した。それは2日間も続く大きな水流になり、あちこちの氷を解かすことになった。 そういうわけで、ぼくが氷に穴をあけたことは池の表面を乾かす主要な原因になったとまでは言わないまでも、決して無視できない影響を与えただろう。と言うのは、水の流入は氷を持ち上げ、そして浮かせることになったからだ。これは、船から水を排出するために船底に穴をあけるのにいくらか似ていた。 水準器は、三脚の上で使ったのですね。氷上の脚の方向に向けて照準を合わせれば、凍った湖面のわずかな高低差も遠くの物体まで延長すると相当に拡大されますね。このような方法でもソローは氷の表面の高さの変動を確かめたのです。 また、氷に穴をあけた時に起こった現象についても記述しています。(1244)で述べられていたように、ソローは氷を割って水深を測っていたのです。水深を測る方法は、(1237)に書かれていました。 |