自分たちの技術を世界中に広めようとはしない方が良い。 [2025年06月22日(Sun)]
(1485)
「他の国民が一本の小麦を育てられる土地であれば、我々は二千本を育てることができます」 もしもアメリカがこのように言うならば、アメリカは希望する人々にその技術を無料で教えるべきです。しかし、決して全世界のために小麦を育てようなどという大それた野望を抱くべきではありません。そんなことをすれば、きっと世界は大いなる悲しみの日を迎えることになるでしょう。 (「ハリジャン」1935年11月2日) 「西洋は西洋のやり方でやれば良い。しかし、インドなど他の国々に押し付けないでほしい」というガンディーの論説の続きです。 「もしも自分たちの技術を使って世界に貢献したいというような動機ならば、知識や技術は無償で提供しなさい」と彼は言っていました。(1484)ここで欧米先進国の代表として「アメリカ」という国名が示されているということは、この当時、欧米の中でも一番の先進国はイギリスでなくアメリカになっていたのですね。 「貧しい国を発展させるために、自分たちの技術を使ってインフラ建設や食料増産や産業振興を図る事業をしよう」と彼らが言ったとしても、実際にはその事業に投資して金儲けをしようとしているだけなのではないかとガンディーは疑っているようです。残念ながら、この当時から現代に至るまで、まったくその通りであることが非常に多いように思われますね。 |