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人間は、その動機ではなく行動によって評価されるべき。 [2023年11月29日(Wed)]
(920)
 このトルーマン大統領の博愛精神に満ちた発言に私は心から賛辞を送りたいと思います。
 この博愛的な行動の裏には、そこからアメリカが金銭的な利益を得ようとする利己的な動機が隠されていると批判する人もいます。しかし、そのような意見には賛同できません。
 人間は、その動機ではなく実際の行動によって判断されなければなりません。人間の心の中を知ることは神以外にはできないからです。
 ・・・
   

 
 食料問題についてのガンディーの話の続きです。
 トルーマン大統領の博愛精神に満ちた発言とは、「自分たちの食料を少し減らして、ヨーロッパへの食料援助に回そう」と国民に呼び掛けたことを指していると思われます。(919)
 これは、第2次世界大戦後にアメリカが西ヨーロッパ諸国に行った経済援助(マーシャルプラン)のことだと思います。もちろん、それは純粋な人道援助ではなくて、東西冷戦の中で西ヨーロッパを自国の側に組み込もうとするアメリカの戦略に基づいたものだったと考えられます。多分、この当時もそのような批判があったのでしょうね。
 ことろが、ガンディーは、「動機がどうであれ、トルーマン大統領がヨーロッパへの食料援助を呼び掛けたのは良いことだ」と評価しています。
 ということは、「行為の道徳的評価の規準をもっぱらその動機におく」動機説ではなく「行為の内面的動機にかかわりなく、行為の結果および他におよぼす影響を道徳的判断の対象とする」結果説の立場に彼は立っていることになりますね。イギリスの大学を出ているので、あるいはイギリスの功利主義的な倫理思想を学んでいたのかもしれません。
 ただし、(500)ではこれとまったく反対のことが述べられていました。
 そして・・・
        
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