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信託と言っても、それはフィクションに過ぎないのではないか。 [2022年07月05日(Tue)]
(415)
 「信託と言っても、それはあくまでも法律上の擬制であって、実際にはそんなことはあり得ないのではないか」
 そのようにあなたは言うかもしれません。
 ・・・


 
 これも、「信託」についてのガンディーの意見です。
 実は、「信託」というのは法律用語なのです。信託とは、ある人の財産を別の誰かに託して管理・運用してもらう制度のことです。信託する人を「委託者」、信託を受けて財産を管理・運用する人を「受託者」、信託された財産から生じる利益を受け取る人を「受益者」と呼ぶそうです。そして、信託された財産は受託者のものになるのだそうです。「法的な擬制(legal fiction)」と表現されているのは、この辺りを指しているのかなあと思います。流石、ガンディーは弁護士だけあって法律の知識も豊富ですね。
 つまり、「裕福な人々は彼らが所有する富のうち自分の生活に必要なもの以外の余剰分を社会のために用いるべきものとして自分に信託されたものだと考える(287)」というガンディーの「信託」論においては、裕福な人々は委託者ではなくて受託者、そして一般の人々が受益者ということになるでしょう。
 「多額の財産を所有している人はそれを自分の財産として所有してもよい。ただし、それは自分のためでなく社会全体のために管理・運用し、その利益はすべて一般の人々に還元しなければならない」というわけです。
 しかし、それはフィクションに過ぎないのではないか。実際には、裕福な人たちはその財産を自分の利益のために用いるのではないか。このような疑問を彼に呈した人がいたのでしょうね。
 これに対して、ガンディーは・・・

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