国に豊かさをもたらしうるのは、天然資源よりも・・・。 [2022年01月20日(Thu)]
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ある国にどれだけ豊富な天然資源があったとしても、潜在的にもっと大きな繁栄を国にもたらしうるのは国民の力です。ですから、その国民の力を顧慮しないで天然資源によって利益を得ようとする国策は必ず不健全なものになるでしょう。それによって人間の平等が実現できるとは到底思われません。 ・・・ この章のタイトルは「村の自治の基本原則」ですが、ここでは国全体の経済政策あるいは経済戦略について述べられています。 単に国富の増大のみを求めるのであれば、天然資源によって富を追求するのも一つの方法だと考えられるかもしれません。しかし、そのような政策は必ず不健全なものになるとガンディーは言うのです。 仮に天然資源によって莫大な富が得られるとしても、それは大資本家または国家権力にほぼ独占されてしまうでしょう。国家の所有する富を国民に平等に分配すればよいではないかと思われるかもしれませんが、国家の富が特定の場所で集中的に生み出されるような国で健全な民主政治が行われるとは到底考えられません。 国家の富を国民が平等に享受するためには、それがまさに「国民の力によって生み出された富」と言われるようなものでなければならないということを彼は示唆しているのではないかと思います。 そして・・・ |