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前へ前へと進み続けるが、立ち止まって問うことはしない。 [2021年10月27日(Wed)]
(170)
 町の人々は、立ち止まって次のように問うことなどはほとんどしません。
 「村に住む貧しい人々は、太陽や雨の恵みを受けて食べる物や着る物を十分に得られているだろうか? そしてまた、日差しや風雨を避けるための屋根のある家に住めているだろうか?」

                     (「ハリジャン」1936年4月4日)


 
 「町の住人たちは、村というのは自分たちの生活必需品を生産・供給するために作られたものだと信じ込んでいるようだ(169)」という話の続きです。
 町に住む人々の多くは、より便利で快適な暮らし、流行や最先端を追う暮らしを求めます。それは、決して終わることのない、永遠に目標に辿り着くことのない前進です。絶望感や虚無感、あるいは焦燥感や強迫感に追い立てられるようにして、彼らは欲望を求めます。しかし、求めれば求めるほど、不安や不満はかえって深まってしまうのです。
 そのような飽くなき前進を続ける人は、本当に大切なものを見失ってしまいます。しかし、彼らはもう立ち止まることができないのです。
 それで、町に住む人々は、自分たちの暮らしを支えている村の人々の生活について思いを馳せることがなくなってしまいます。「そんな暇はない」と思い込んでしまうのです。
 これは、現代の人々にも当てはまるかもしれませんね。
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