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小規模分散型の生産を増やしていくことで・・・。 [2021年09月23日(Thu)]
(138)
 そうなのです。それは確かに大量生産です。しかし、大工場ではなく各家庭で生み出される、つまり、個人を基本単位とした大量生産なのです。
 小規模な家内工業生産を、今より何百倍にも増やしていけば・・・それは結局、全体的に見て大量生産を実現することになるではありませんか。
 ・・・



 ガンディーは、彼の地産地消論について語った後(137)、さらに「大量生産」についての言及に移ります。
 今までの話の流れからすると、きっと彼は大量生産にも批判的なのだろうと思ったら、意外にもそうではありませんでした。よく考えてみると、この頃(1930年代です)はまだ物質的にも非常に貧しい暮らしをしている人たちがたくさんいたのです。
 つまり、彼がここで言っているのは「世界中の人々が健康で文化的な生活を営むのに必要な品物を十分に供給できるだけの大量生産」ということでしょう。決して、例えば「一人に一台、自家用車を持てるように」なんてことは考えていないことは確かです。何しろ、「鉄道さえ不要なものだ」というのが彼の基本的な立場なのですから。
 しかし、その大量生産というのも効率を重視した大工場での機械生産ではありません。家内工業、そして手工業による生産の担い手を増やすことによって生産量を人々の必要を満たすのに十分なだけ増大させていこうというのが彼の考える「大量生産」なのです。
 そして・・・
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