(1030)
チャルカは、暴力的でない自給自足経済の象徴です。
もしも、我々が、そして国民が、このチャルカの意義を理解できさえすれば、チャルカの宣伝に一銭も費やす必要はないでしょう。だから、裕福な人々の施しを当てにすることもないのです。
自然な成り行きとして、我々の活動は希望の中心になるでしょう。そして、多くの人々が自らの意思でそこに集まって来るでしょう。彼らはもはや、仕事を求めて他の場所へ行こうとはしないでしょう。
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非暴力とチャルカについてのガンディーの意見です。
「チャルカは非暴力の象徴である」というのは、彼が繰り返し述べている持論です。この場合、「非暴力」というのは単に「暴力を用いない」という消極的な意味ではありません。また、「非暴力」というのは手段であるだけでなく目的でもあります。つまり、「この世界を、暴力的な世界から、もっと優れた非暴力の世界に変えよう」と彼は言っているのです。
(1017)では、「チャルカを、非暴力の大いなる力、そして新しい世界秩序と新しい経済の象徴に変えよう」と述べられていましたね。
彼によれば、搾取・お金による支配や疎外・あらゆる形での収奪は、すべて経済的な暴力なのです。それは、例えば契約とか、分業とか、自由な経済活動とか、あたかも平等な権利に基づいているように見えるかもしれませんが、実質的には暴力なののです。だから、「非暴力の経済は、自給自足(スワデシ)の経済である」とガンディーは言うのです。
「一銭も」と書いた所は、原文では「1パイサも」です。「パイサ」とは、インドで使われていたお金の単位だそうです。
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