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第1回 公衆衛生対策としての廃棄物処理〜汚物掃除法(1900-1954) [2010年03月08日(Mon)]
 昨今、地球温暖化防止を巡って、廃棄物焼却の是非が大きな話題になっています。他方、埋立禁止も大きな政策課題として浮上しています。その埋立禁止を実りある内容にするために、発生抑制や生産段階で再資源化や再利用を行うための創意工夫も着々と進んでいます。

 その1つの政策が拡大生産者責任(EPR)ですが、いろいろな努力をしても再資源化や再利用できないものもあります。そうした廃棄物は焼却処分がされてきました。こうした認識を共有した上で、これから6回にわたって歴史的な歩みを概観しながら廃棄物焼却の是非について検討していきます。

 古代から中世にいたる日本のごみ処理は、貝塚に象徴されるように自然界に存在する微生物の力を活用した消滅処理(埋立)が主流でした。蛇足ですが、平安時代の宮廷には、ごみ処理を担当する“掃司”という部署がありました。今日的は地方自治体の廃棄物担当部局です。

 江戸時代(17〜19世紀)も基本的には、埋立処理が行われてきましたが、微生物の処理速度超えると腐敗菌が充満し、衛生的な問題を引き起こします。一部の外国との交易などにより、コレラやペストなどの病原菌も日本に入ってきましたし、実際に疫病が流行したこともありました。しかし、100万人の人口を抱えるまでに成長した江戸(現在の東京)などの都市部では、その食糧を近郊の農家に依存していたので、郊外から江戸へ野菜を運んだ帰りに、江戸で発生したし尿や生ごみを持ち帰って肥料として利用するという循環がなりたっていました。

 1868年に成立した明治政府は、疫病対策の1つとして、イギリスやドイツ等の欧州の焼却処理を参考にごみの焼却処理を奨励しました。そして、1900年3月7日に条文11条、施行規則25条と附録から成る初めてのごみ処理の法律となる汚物掃除法が制定されました。

 この法律によって自治体に廃棄物処理の責任(汚物を掃除し清潔を保持すること)が義務づけられ、施行規則によって焼却処理という指針が定められました。集められたごみは、手作業で厨芥とそれ以外の雑芥に分けられ、厨芥は肥料に、雑芥は燃料などに使われていました。

 当初の焼却は野焼きで行われており、住民の反対運動も起こるほどでした。東京の場合には、1929年には深川塵芥焼却場が建設され、ごみの焼却が本格的にスタート。翌1930年に汚物掃除法の施行規則が改正されたことで、地方長官の認可がある場合をのぞき、すべての廃棄物の焼却処理が自治体に義務付けられることになりました。この法律は、1954年の清掃法制定と同時に廃止されました。(第2回に続く)
法律第三十一號 汚物掃除法


第一條 市内ノ土地ノ所有者使用者又ハ占有者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ地域内ノ汚物ヲ掃除シ清潔ヲ保持スルノ義務ヲ負フ

第二條 市ハ本法其ノ他ノ法令ニ依リ別段ノ義務者アル場合ヲ除クノ外其ノ區域内ノ汚物ヲ掃除シ清潔ヲ保持スルノ義務ヲ負フ

第三條 市ハ義務者ニ於テ蒐集シタル汚物ヲ處分スルノ義務ヲ負フ但シ命令ヲ以テ別段ノ規定ヲ設クルコトヲ得

第四條 市ニ於テ前條ノ處分ヲ為シタル為生スル収入ハ市ノ所得トス

第五條 地方長官ハ掃除ノ施行及實況ヲ監視セシムル為必要ナル吏員ヲ市ニ置カシムルコトヲ得

第六條 當該吏員ハ掃除ノ實況ヲ監視シ必要ナル事項ヲ施行スル為其ノ事由ヲ告知シテ私人ノ土地ニ立入ルコトヲ得

第七條 本法又ハ本法ニ基キテ発スル命令ニ依リ私人ニ於テ履行スヘキ事項ヲ履行セス又ハ之ヲ履行スルモ充分ナラスト認ムルトキハ當該吏員ニ於テ之ヲ施行シ其ノ費用ハ市ニ於テ之ヲ支辯スヘシ
前項ノ處分ハ予メ履行期間ヲ指定シテ戒告スルニ非サレハ之ヲ為スコトヲ得ス但シ必要ノ時限内ニ履行シ得スト認ムルトキハ此ノ限ニ在ラス

第八條 前條ノ處分ヲ為シタルトキハ市ハ市税ノ例ニ依リ其ノ費用ヲ義務者ヨリ徴収スルコトヲ得

第九條 汚物ノ種類汚物掃除竝清潔保持ノ方法及施設ニ関スル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム

附 則


第十條 本法ハ明治三十三年四月一日ヨリ之ヲ施行ス

第十一條 地方長官ハ區町村、町村制ヲ施行セサル地方ニ在テハ町村ニ準スヘキ地又ハ其ノ一部ヲ指定シ本法ノ全部又ハ一部ヲ準用スルコトヲ得
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