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2019年04月12日(Fri)
みなし譲渡非課税(承認特例@)
租税特別措置法40条について見ています。
前々回と前回は、平成30年度の税制改正の内容である、特定資産の買換特例について見てきましたが、今回から、平成30年度改正のもう一つの項目である承認特例の拡充の話を見ていくことにします。
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1. 承認特例とは
租税特別措置法40条は、一定の要件を満たしていることについて国税庁長官の承認を受けた場合に、寄付財産に係るみなし譲渡所得税が非課税になる制度です。
措置法40条の問題点として、国税庁長官の承認を受けるまでに非常に長い期間がかかることが挙げられていました。
2年くらいかかるのが通常といわれています。
確かに、資産を非営利法人に寄付をすることで、みなし譲渡の課税を逃れるという意図を持つこともあるかもしれません。
しかし、まったく第三者からの寄付等、あきらかに税逃れとは考えられないような寄付にまで、一つ一つ長い時間をかけて非課税の審査をするのは効率的ではありません。
そこで、一定の要件を満たす場合には国税庁 長官の非課税承認決定が申請から一定の期間内に行われなかったときは、自動的に承認があったものとみなす、承認特例の制度が設けられています。
2.一定の期間とは
「一定の期間」は、寄附された現物資産が、株式、新株予約権、特定受益証券発行信託の受益 権及び社債的受益権等の場合は3か月以内、寄附された現物資産がそれ以外の場合は1か月 以内となります。
従来は、寄付財産が株式の場合には、承認特例の対象外でしたが、平成30年度の税制改正で、株式も承認特例の対象に加わりました。
ただし、株式等の場合には、自動承認の期間は、3か月となります。
3. 承認特例の対象法人
承認特例の対象法人は、特定資産の買換特例と同じく、以下の法人です
・国立大学法人等(国立大学法人、大学共同利用機関法人、公立大学法人、独立行政法人国立高等 専門学校機構若しくは国立研究開発法人をいいます。)
・公益社団法人、公益財団法人、
・学校法人(学校法人会計基準に従い会計 処理を行う一定のものに限ります。)
・社会福祉法人
従って、認定NPO法人や宗教法人への資産の寄付は、承認特例が受けられません。
次回は、承認特例のさらに細かい要件を見ていくことにします。
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