2019年03月27日(Wed)
一般財団法人か公益財団法人か
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遺贈寄付の税務について連続で見てきました。
前回は、一般社団・財団法人の場合と、公益社団・財団法人の場合に、遺言による寄付に相続税が課税されるかどうかの違い、つまり、租税回避行為とされるかどうかの違いを見てきました。 今回は、それ以外の税制上の違いを見ていくことにします。 特に、ここで問題になるのは、財団法人を設立する場合です。 財団法人は、設立者の意思を実現するために存在する法人ですが、その設立者の意思を実現するために、一般財団法人にするのか、公益認定を取って、公益財団法人を目指すのか、ということは大きな問題です。 今回は、財団法人を作る場合に、一般財団法人と公益財団法人の違いを見ていきたいと思います。 |
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1. 公益財団法人にすることのメリット 財団法人は、設立時は、一般財団法人でしか設立できません。 その後、公益認定を受けると、公益財団法人になります。 一般財団法人に寄付をしても、寄付をした人に寄付金控除の適用はありません。 公益財団法人に寄付をすると、寄付金控除の適用があります。 設立者が、寄付金控除のメリットを最大限受けたいのであれば、300万円で一般財団法人を設立し、その後、公益財団法人になってから、追加の寄付をするのが、税制上は有利です。 寄付金控除には、総所得金額の40%が限度という規定がありますので、1年で多額に寄付をすると、限度額に引っかかってしまう場合には、何年かに分けて寄付をするのがいいかもしれません。 2. 公益財団法人にすることのデメリット 一方で、公益財団法人にすると、様々な規制や手続きがあります。 例えば、財団法人を作って、奨学金を支給するような場合に、公益財団法人となるには、奨学生をどのように選定しているのかについての中立性などが非常に問われます。 奨学金の支給以外の事業をしようと思っても、勝手にすることはできません。 公益認定を受けるためには、相当の手間がかかりますし、認定後も毎年所轄庁に報告をしなければならず、数年に1回、立入調査もあります。 そのような大変さがあっても、公益財団法人を取得する意味があるのか、ということを考える必要があります。 3. 公益財団法人になる意味合い もし、設立する財団法人が、たくさんの人から寄付を集めようとする場合、法人税法上の収益事業を行う場合、あるいは、社会的に大きな規模の活動をする場合には、公益財団法人なる意味は高くなります。 寄付の優遇措置があれば、寄付金を集めやすくなりますし、法人税法上の収益事業を行っており、その事業が公益目的事業に該当していれば、法人税は非課税になります。 また、社会的に大きな規模の活動をするのであれば、公益財団法人としてのステータスは重要になってくると思います。 一方で、ファミリー財団のように、特定の人からしか寄付を受けるつもりはなく、その寄付者が寄付金控除をどうしても受けたいというわけでもない場合で、ある程度の自由度をもって運営したい場合には、あえて一般財団法人のままでいるという選択肢もあります。 一般財団法人(非営利型が前提)であっても、その一般財団法人への寄付(遺言による寄付を含む)が租税回避行為とされなければ、その寄付をした財産には贈与税や相続税は課税されませんので、非営利型一般財団法人であっても、相続税対策にはなります。 https://blog.canpan.info/waki/archive/749 ただし、一般財団法人には、相続人による相続財産の寄付については、相続税が課税されますので、生前、又は遺言で一般財団法人へ寄付をしておかないと、相続税対策にはなりませんので注意してください。 4. まとめ (1) たくさんの寄付者を集め、大きな事業をしようとする場合 公益財団法人にするメリットは高い (2) ファミリー財団のように、少数あるいは特定の1名の寄付者からしか寄付者を集める予定がない場合 寄付者に寄付金控除のニーズが高くなければ、租税回避行為とされない非営利型一般財団法人にするという方法も考えられる。 なお、株式や不動産の寄付がある場合には、租税特別措置法40条の適用を受けることが必要になるケースもありますが、これは、今回のテーマからは除きます、
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