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«NPO法人と代表権の制限 | Main | 収支計算書の提出»

2019年03月04日(Mon)

NPO法の改正と活動計算書
内閣府のホームページあるNPO法のQ&Aを解説しています。

https://www.npo-homepage.go.jp/qa

今日は、17回目のQ&Aです。

2011年の改正内容についてのQ&Aです。

青字はQ&Aの内容、黒字及び赤字は私の解説です。

1-2-11 「収支計算書」が「活動計算書」に改められましたが、どのように内容が変わったのですか。 【第27条3号】


A

収支計算書は、NPO法人の会計方針で定められた資金の範囲に含まれる部分の動きを表すものです。

これとは異なり、活動計算書はNPO法人の当期の正味財産の増減原因を示すものであることから、法人の財務的生存力を把握する上で重要な書類の一つであるといえます。

当期の正味財産の動きを表す活動計算書においては、収支計算書における資金の範囲という概念は不要となり、貸借対照表との整合性を簡単に確認することができます。

また、固定資産の取得時において、収支計算書にはその購入時の支出額を計上しますが、活動計算書には支出額ではなく、取得した資産の減価償却費を計上する等の相違点も挙げられます。



<解説>

このQ&Aは、私自身がこの改正に関わっていたので、収支計算書から活動計算書に変わった経緯について、少し詳しく述べます。

NPO法人が作成する会計書類は、NPO法が成立した1998年から、収支計算書、貸借対照表及び財産目録でした。

しかし、会計基準はなく、NPO法人が作成する会計書類はバラバラでした。

そのような状態を受けて、2010年7月にNPO法人会計基準協議会が、民間主導でNPO法人会計基準を策定しました。


NPO法人会計基準では、NPO法人が作成する財務諸表を、活動計算書、貸借対照表及び財務諸表の注記としていました。

一方で、NPO法は収支計算書のままでした。

法律は収支計算書となっている中で、民間で策定した会計基準が活動計算書を作成するといっても、なかなか普及しません。

そこで、法律も会計基準に合わせて活動計算書に合わせるように、NPO法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会を中心としてロビーイング活動が行われました。


当時は、民主党政権時で、私も、国会議員に呼ばれて説明にいったことが2回ほどありました。

1回目は、収支計算書型の会計から損益計算書型の会計に変えることについて、議員の方が、会計士協会の方から意見を聞くのに同席を求められました。

その方は、非営利法人の会計は収支計算書であるべきだ、というお考えでした。

結果的に、損益計算書型の会計になることになりました、

2回目は、「活動計算書」という名称についてです。

公益法人会計基準では、損益計算書型の会計書類が中心ですが、その名称は、「正味財産増減計算書」であり、また法律(一般社団・財団法)では、作成する計算書類は「損益計算書」としていました。

NPO法人の場合に、「活動計算書」という、他の会計基準では採用されていない名称を、NPO法の中に書き込むことが適当なのか、という議論があったようです。

最終的に、「活動計算書」という名称がNPO法の中に盛り込まれました。

「活動計算書」という、NPO法人会計基準で採用された損益計算書型の財務諸表の名称をNPO法の中に盛り込むことについては、様々な方のご苦労やご決断がありました。


私自身も、ほんの一部だけにしか関わっていませんが、法律を変えるということは大変なことなのだな、ということを実感した経験でした。


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